「ハウルの動く城」の解釈(ネタバレ)

某サイトでの私の書き込みと、私が興味を持った他の方の書き込みを抜粋。因みに私は eiga33。この映画は賛否両論が激しく、批評など数多くありましたが、賛の方の解釈のみ載せました。この映画に、少しでも近づくため、考えをまとめるための抜粋ですので、興味ある方は読んでみて下さい。

観ました。
投稿者: eiga33 2004/11/22 7:44
採点:
とてもよかった。前作の千と千尋では、どうしても安直な部分を拭えなかったけど、今回は紅の豚を見た時と同じような満足感があった。気になるキムタクも大丈夫だった。それよりもソフィーの18歳の声の方が気になった。おばあさんの方は合ってた。
内容に関して、一回観ただけで解るようなものは求めてなかったので、数点解らないほうが心地よかった。原作を読んでないのもあるけど、その方が自分的にはよかった。

ここからはネタバレです。
解らない点を自分なりに解釈してみた。間違ってたらごめん。
・カルシファーの「ハウルとの契約の秘密を見破ってくれれば、元の姿に戻してやる」の部分の伏線で、どこで見破った?
たぶん過去のハウルを垣間見た時に、星にぶつかったハウルが自分の心臓と引き換えに悪魔の力を得る。その悪魔の力がカルシファーで、あのシーンが悪魔との契約を描いてたと思う。心臓を差し出した変わりにカルシファーはハウルのしもべになってたのだと思う。ということは心臓を元に戻せばカルシファーは自由になれるということで、それが見破ったということ?合ってるよね〜?アラジンとジーニーみたいな関係?
・何故過去に行けた?
前にハウルからもらった指輪に力が込められていて、その力とハウルを救いたいソフィーの気持ちが同調して過去への道が開けた。そして悪魔の呪いの解き方を知る。ハウルは随分前からソフィーの事を知っていた。
・何故一度カルシファーと城を出た?
ハウルが自分達を家族と思い、それを守るために危険を冒している。ならば自分たちがいなければ、無茶なことはしないと思ったけど、その考えは間違いだと気づきハウルの力になろうとする。
・水をかけたのに何故大丈夫?
これは正直まだ消化できていない。荒地の魔女がカルシファーの中にハウルの心臓があることに気づき、それを奪おうとカルシファーを手に取る。その時、荒地の魔女自身が燃え尽きてしまいそうになり、ソフィーが水をかけた。が、まだ完全に火は消えていなかったとしか現時点では解らない。それか完全に消えてしまったが、指輪の中にカルシファーの力が残っていたということか?うーんちょっと解らん。

勝手な解釈です。やはり原作は読まないといけないかな?まだ解らない部分があり自分の中でまとまってないけど、あと2・3回観れば消化できると思う。現時点でもいい作品だと思っているけどね。長文で失礼。


ソフィーの移り変わりの意味(ネタバレ)
投稿者: tora5707 2004/11/22 10:08
採点: 未採点
ソフィーが若くなったり年を取ったりすることに疑問を感じている人が多いようでしたが、私はこう解釈しました。

元々ソフィーは「若い」ということに重荷を感じている。その原因にもなっているのは、多分可愛くて派手で男達のアイドルの妹や、妹が似ている母親の存在のため。
「若いから美しくなければいけない」と思い込んでいる。でも自分の美しさに自信を持てないから、若いということは彼女にとって一種の苦痛になっている。
そこで突然老婆にされてしまうが、それはソフィーにとって重荷からの解放を意味していた。だから最初は戸惑うものの、逆に自由に振る舞える、ということに心地よさを見出していく(「年を取ると失うものなんかないね」とか、体面も何も気にせずに城に潜り込んでしまうところとか)。
しかし、彼女はハウルに恋をする。それは彼女の中にある少女性のなせること。なぜなら、それは完璧な一目惚れだったから(空中散歩のシーン!あれは素敵な一目惚れだ)。
ハウルに恋をすることで、ソフィーは自分の若さを肯定することができるようになる。だから、ハウルへの恋心が表れる度に、彼女は若返って行くのだ。
思うに、荒地の魔女が魔力を失った時点で、呪いは解けていたのだと思う(敵が力を失うと呪いが解けるのは、ファンタジーのお約束!)。そこから先はソフィーの心の問題。老婆のままでいたい、という気持ちと、若さを肯定する気持ちがゆらゆらと外見の変化になって表れているのだ。
最終的に彼女はハウルからの愛を受け入れることで、若さを取り戻す。ただしそれは今までの柵のあったソフィーに戻るのではなくて、新しいソフィーになるということ。
髪の毛の最終的な変化(星の色?)はそれを象徴している。
まさに、恋をすると女は変わるのだ!
(『千と千尋』の坊にも似てますね。本当は呪いは解けているのに、自分で歩けることが嬉しくて鼠のままでいようとするところとか。最終的に湯婆婆の愛情を受け入れて元に戻る点も)

ソフィーのキャラクターだけでも、ここまでの深読みが可能。当たっているかどうかは別として、こういう考察ができるのは懐の深い映画だからだと思います。
『紅の豚』が大人になってから何度も見返したくなる映画であると同様に、『ハウル』も何度も見返したくなるんだろうなあ。だって、観る度に新たな発見がありそうだから。

ハリウッド的カタルシスとわかりやすさを求める人には、向かない映画だろうけど。


自分で解釈する映画
投稿者: eiga33 2004/11/22 10:57
採点: 未採点
そういう見方ができる映画は貴重だと思う。最近は観る側の能力が上がっていることを監督は知っていて、その先をポンと提供してくれる。作り手は常に視聴者の先を見ていなければいけないんだなと、改めて思った。とても画期的ではないか!

ナウシカ、ラピュタの頃も公開当時は画期的だったはず、なのでそれと同じ事を繰り返しても満足できない自分がいることも確かで、あのやり方は確立(完成)されていると思う。

すでにあるものの繰り返しではなく、新しい物への挑戦を意識して制作する姿勢には拍手を贈りたい。

映画はいま思うことだけでは計れないものがあり、何年か先にすごくよいではないかと評価が変わることもある。そしてその方が本当に自分の心に残っている。


動く城って(ネタバレ)
投稿者: eiga33 2004/11/22 13:34
採点: 未採点
城が途中で増設しましたよね。
もしかしてあの城はハウルの思い出とか経験を象徴しているのかなっと思いました。

増設後のソフィーの部屋が、帽子を作ってた部屋に似ていたし。そういう出会いや経験の積み重ねであの形になったのかも?


1道具としての戦争
投稿者: eiga33 2004/11/23 3:53
採点: 未採点
前に採点したので未採点です。

戦争について考えてみた。今回の映画では、何か社会的なテーマを含みたかったとは思えないのです。監督はこの作品では説教じみたことはしたくなかったのではないでしょうか。

パンフにも似たような事が書いてあったけど、今回のテーマは「母性」なんじゃないかと思う。
愛ではなく母性だと思った。強いだけではなく母性があれば周りを幸せにすることができる。

では今回の戦争の位置づけは、その「母性」を引き立てる道具としての戦争なのではないかと思う。そんな安易な理由でこのテーマを扱っていいのかと思う方もいるだろうけど、宮崎さんは戦争理由やつじつまを合わせる事ができる監督です。たぶん裏設定で存在していると思う。でも今回はその点を強調しなかった。戦争理由やつじつまは存在している、が、そのことを深く説明する必要はないと、1道具としての戦争という判断だったと思う。(紅の豚でも似たような扱いされてたように)

ハウルの言葉「敵も見方も、どちらでも同じことさ」これを聞いたとき、反戦のメッセージというより、なにくだらん事やっとんねんという感じだった気がする。それは1道具としての戦争を説明しただけなのかと思った。
ハウルは戦争の当事者というよりも、傍観的で、くだらん事やっとるから、いたずらしたろという感じの関りだったのだろう。でも自分の家族と思える者に危険が及んだ時には、本気で守ろうとした。守ろうとする気持ちの動機付けみたいな役割で、それ以上でも、以下でもないと思った。


ネタばれ。
投稿者: siren417 2004/11/23 7:53
採点: 未採点
誰かが判らずじまいだったといったので
ここで解説。
・火のカルシファーは悪魔だろう。
 その悪魔と契約したハウルは人間でなく なりかけている。
・ソフィアをばあさんにしたのはハウルの 心臓を欲している荒野の魔女なんとかハ ウルにメッセージを届けさせるためにば あさんにした。
・ソフィアが時々少女に戻るのは荒野の魔 女の呪いが絶対的なものでは無く、何か をすることによって解けかけるため。
・戦争が終わりそうなのは両者ともそろそ ろ痛み分けで終わらせられそうだから。
 つまりイデオロギーや生存権戦争なんか じゃ無かったって事ですね。


Re 1道具としての戦争(ネタバレ長文)
投稿者: mm_dive 2004/11/23 8:07
採点: 未採点
疑問に思われている方も多い“戦争の存在”について考えてみました。
「なぜ戦争が行なわれているのか解らない。説明がない。」という意見を見かけますが、
僕らの周りで起こっている戦争なんて、皆そんなもんのような気がします。
僕たちに情報として入ってくる報道って殆ど事が始まってからだったりしません?
双方の因果関係も良く知らないまま、いつの間にか戦争が始まっている・・・
そして「被害者が○○○人!」だとか結果としての情報しか知らないまま「戦争、反対!」
なんて反戦意見が飛び交う。。。
ハウルの最初の戦う動機って、そんな生半可な反戦意志だったように後になって思えてきました。
今までの宮崎作品って戦う当事者側の心理で描かれていた様に思うのですが、今回は戦争の
外側にいる心理を描いている気がする。
こうして文章にして記憶を辿っているうちに、あのサリマンの存在は現代におけるマスコミの
メタファーなのではないか?と思えて来た。
「この戦争も終わりにしましょ♪」と言ってのけるサリマンは戦争を助長し煽った挙げ句
視聴者の関心が引いたら報道を辞めてしまうマスコミなのではないか?

誰かが言っていた「説明がないことで自分なりの解釈ができる」という意味では見直す度に
評価が変わる映画なのかもしれません。
かくいう僕も、前回の評価は3星でした。。。
もう一度、観にいこう☆

ちなみにハウルを追っかけまわす荒地の魔女ってヨン様好きオバサンのメタファー?


ハウルの成長(超!ネタバレ!注意!!)
投稿者: tora5707 2004/11/23 10:10
採点: 未採点
初っ端からすごいネタバレしてます。
ネタバレ嫌な人は気をつけて!


ハウルの内面変化について、思いついたことがあったんで、書いてみます。
まず、物語開始時の彼って、「魔女コンプレックス」だったのではないでしょうか?
昔、すごく怖い魔女二人に目をつけられてしまって(サリマン先生は怖いよ、確かに)、その恐怖を克服しないまま大人になってしまってる。
ハウルが「臆病」なのは、戦うのが怖いからじゃない。戦争で戦うことは、彼にとってなんでもないことなんです。だって、力があるから。
一番怖いものからは逃げるしかできないから、彼は「臆病」なんです。
壁を乗り越えて成長できない彼は、心は少年のまま。あの城のごちゃごちゃした雑多な感じは、まさに少年のそれでしょう(この辺、パンフで養老孟司さんが論じてます。必見!)。
魔法が使えても、それを何に使ったらいいかわからずに、取り敢えず自分の気に入らないもの=戦争を邪魔するためぐらいにしか奮わないところも、持って生まれた力を持て余している少年そのもの。
その彼が、大人の男に成長する話。それが「ハウルの動く城」なんだと思います。
ソフィーを好きになることで、ハウルは突然できた居心地のいい共同体、家族を守るという意識を持ちます。それまで自分の好き勝手に積み上げた城を、家族のための空間に作りかえます。
そして、戦争に対する力の使い方も変わります。それまでただ「気に入らない」から邪魔をしていたのが、ソフィーと家族を守るために戦う、という明確な意思をもつのです(「僕はもう十分逃げた。やっと守るものができた」という台詞が象徴しています)。
好きな人と家族を守る。これって男の人が大人になる瞬間なんじゃないでしょうか?ソフィーとの恋愛は、ハウルが大人に成長するための重要な階段になっていたんです。
最後に空を飛ぶハウルの城。その城は今までと同じように見えるけれど、実は全然違う。
マルクルとヒンが遊び、魔女が憩う庭があって、洗濯物が干してあって、緑が植わっている。意味なくたくさん付いていた砲台(あの丸いドームみたいなやつって、ラピュタに出てきた砲台にそっくり)は、一つだけになっている。男の子って、ああいう武器好きですよね(笑)。兄がいるからよくわかる。
少年の宝箱のような雑多な城から、家族が住む家になっているんです。
刻々と変わる「動く城」は、ハウルそのものなんだと思います。
恋をすると、男も変わるんですね!

しかし、あの城は少年の感性そのもの。小さい頃、兄が武器やらなんやらを詰め込んだ、グロテスクな乗り物や基地を作ったり描いたりしていたのを思い出します。
あれを60過ぎで創造できる宮崎さんって・・・・・やっぱりすごいなあ(結局そこに終わる・汗)。


1155さんのマスコミ=サリマン(ネタバレ)
投稿者: eiga33 2004/11/23 10:22
採点: 未採点
マスコミ=サリマンは面白い解釈ですねぇ。ソフィーが言ってた「あなた達は、なんか変だわ」というのも解った気がする。

ソフィ:「ハウルは臆病でわがままだけど、彼は自由になりたいだけなの」
ハウル:「いままで逃げすぎた」
上のセリフからも半端な反戦活動だったと思える。(北斗の拳の雲のジュウザとハウルは似ているのかも?)


ソフィーの呪いが何故解けたか^^
投稿者: firedemon_calcifer 2004/11/23 14:38
採点: 未採点
原作を読んでいればわかった事なので映画ラストのハッピーエンドシーンは何とも思いませんでしたが、納得いかない方がいるようなので簡単に説明します。
原作でのハウルの話によると荒地の魔女がソフィーにかけた呪いの魔法は複雑なだけで
魔法使いのハウルには解けない魔法ではない程度の魔法だったんですよ。
まあ後からハウルが呪いを解いてあげたんでしょ^^
ハウルは心優しき大魔法使いサリマン先生(映画では悪者っぽい扱いのw)の1番最後の1番優秀な弟子であるとかいう話も原作読まないとわかりませんってばねぇ^^;
その辺りのシーンが映画では全く描かれてませんでしたよね。
変色したソフィ髪はハウルが最後に言ってましたね、何色だっけ?そういう事です。
原作を読めば謎っぽい場面に関してはモヤモヤが無くなると思います。
ストーリー展開に関しては…


おしえて おじいさん 
投稿者: stadiumfront 2004/11/23 15:45
採点: 未採点
(ネタばれ?)
とくに原作も読んだ人 おしえてください

@ハウルとカルシファーの契約
ハウルの心臓をもらったカルシファー側のメリットは何? カルシファーは自由になりたがってたけど、そもそもなんで契約したの?ハウル側にしかメリットないんじゃないのかね。
Aソフィーの母はなに?
仲直りがどうのといってた気がするのですが、ソフィーと母はけんかしてたの?そしてなぜ母はソフィーを裏切ったの?夫は何者なの?
前半に妹が登場してきた意味もわからない。
ソフィーの地味さを表現したかっただけ?
B王室の魔女は、結局のところ何がしたかったの?

おしえてください


もうひとつおしえて
投稿者: stadiumfront 2004/11/23 15:57
採点: 未採点
質問するのひとつ忘れました。

王子はなぜ、誰に案山子に変えられたの?


↓教えますハイジさん
投稿者: pino427 2004/11/23 16:06
採点: 未採点
原作のネタばれになりますが、

>@ハウルとカルシファーの契約
カルシファーはもとは流れ星だったんです。今まさに地に落ちて死ぬところにハウルがたまたま居合わせて、死にたくないというカルシファーに同情して、自分の心臓と代償に助けたのです。従って、カルシファーのメリットは「生き延びた」というところです。ちなみにその後ハウルに心臓が戻ってもなおカルシファーが生きていたのはソフィーはものに命を吹き込む魔法が使えるからという設定に本ではなっています。

>Aソフィーの母はなに?
ソフィーの母は義母で実母は亡くなっているそうです。仲直りがどうのってのは義母がソフィーをただ働きさせていたことかもしれません。前半に妹が出てきたのはよくわかりませんがやっぱり地味さを表現したかったからでしょうか。ちなみに原作では妹は2人いて、頻繁に出てきます。

>B王室の魔女は、結局のところ何がしたかったの?
原作に一応出てくるキャラクターですが設定が180度くらい違うので、なんとも言えません。ちなみに私も映画を見ててさっぱりわかりませんでした。


1219番への答え(ネタバレ含)
投稿者: pug_devil 2004/11/23 16:11
採点: 未採点
原作における内容ですが、

@原作におけるカルシファーはもともと流れ星で、流れ星は落ちると死んでしまう運命にあるわけですが、それをハウルが助けたことが契約となり、カルシファーは死なずにすみ、ハウルはカルシファーの力を得られるようになったというわけです。

A母ファニーは本当の母親ではなく継母です。本当の母親はソフィーが2歳の時に亡くなっています。ソフィーは3人姉妹の長女で、実家のお店である帽子屋を受け継がざるを得ませんでした。また、従順なソフィーをファニーがお店の経営にうまく利用していたようなくだりもあったりして、仲が良いとは言い難い状況であったのは確かです。

B原作に登場するサリバンという名の王室づき魔法使いは、男性でしかも荒地の魔女につかまっているという設定になっているので、いくら原作を読んでも映画のサリバンの意図については見当がつきません。

といったところです。原作ではソフィーの生い立ちや家族など詳細な記述がありますが、映画では一切なくいきなり妹や母親が登場するので非常にわかりにくくなっていると思います。それにそもそも原作では戦争など起きていないので、基本設定から何から変わっています。映画では謎であった部分が原作を読んだらすべて解決する、ということは残念ながらありません。

もちろん映画は面白く楽しめる内容ではありますが、もう少し不明確な部分をはっきりさせて欲しかったなぁと思います。
ちなみに原作のハウルは、一見遊び人のように描かれていますが実は・・・!と痛快な内容です。一読されることを強くお薦めいたします。


1221番への答え(ネタバレ含)
投稿者: pug_devil 2004/11/23 16:18
採点: 未採点
荒地の魔女は、

ハウル
サリマン
王子

の3人を継ぎ接ぎして理想の1人の男を作り上げようとしていました。
あのかかしは、王子から魔女が必要な部分を取り上げた残りの部分、ということになっています。これもまた原作と映画とでは大きく異なっているので単純に比較することはできません。


1219のハイジさんへ(ネタバレあり)
投稿者: tora5707 2004/11/23 18:02
採点: 未採点
「王室付き魔法使いのサリマン先生が何をやりたかったか」、という疑問について何ですが、私はこう思います。

サリマン先生はハウルが欲しいのだと思います。
彼個人を欲しいのだとも、彼の魔法が欲しいのだとも思えます。
自分の召使い(荒地の魔女のゴム人間のように、魔法で作り出したもの)に子供の頃のハウルの格好をさせているところから、その執着が伺えます。なんというか・・・・・息子をずっと手元に置いておきたいと思う、母親の心情に近いものがあるのではないでしょうか。ちょっと歪んだ愛情ですね。
それと同時に、国を治める魔法使いとしてハウルの力を手に入れたい、とも思っています。それは国の軍事力を強めることにもなりますから。

この二つの理由のために戦争を起こしている、それが映画におけるサリマン先生がやっていることではないでしょうか?
ハウルは魔法学校で国の有事に駆けつけるよう誓いを立てさせられてますから、戦争が起きれば彼を王宮に呼ぶ口実ができるんですよね。

国を肥やすために意味なく戦争を起こす支配者像を、風刺しているように思えます。
(あくまで監督の主観でしょうけど)


なるほどねぇ〜(ネタバレ)
投稿者: eiga33 2004/11/23 19:06
採点: 未採点
私は原作でのソフィーに命を吹き込む魔法が使えるというのを聞き、いろいろ考えた。
映画の方のソフィーに果してそんな力があったのだろうか?私は無かったのではないかと思う。しかしキスによって色々解決してます。でもそれに魔法的な力があるとは思えない。

ではカブへのキス、カルへのキスでカブは人間に、カルは命を得たのかと考えて、やはり魔法の力とは思えないというか思いたくないという気持ちが何故かある。

これは偶然か必然によって起こったじゃないか?カブはかけられた呪いの条件である愛しい者からのキスを果たしたから、カルはハウルの心臓をもらって一命をとりとめたが、その後は自己再生能力があり、ソフィーの髪を食べたとき「心臓だともっとすごいぞ」と言ってたので本来の力よりパワーアップしているのだと思う。そして契約解除になったとしても、命を奪われることはなかった。そこでタイミングよくキスしたことで命を与えたのではなくて、カルの意思をこちらに向けて、自由の身になったのに自分達の家族になったということかな?ん〜でもこれは確定ではないな〜。カルの自己再生能力は都合よすぎるな髪を食べたことで死ぬことは無くなったということかな。うん、こちらの方がよさそう。

まぁそのようなことを考えてました。


前の書き込みの追加(ネタバレ)
投稿者: eiga33 2004/11/23 19:28
採点: 未採点
カブはかけられた呪いの条件である愛しい者からのキスを果たしたというのが、よくあるおとぎ話のようで安直なイメージを与えている。ならばそれが戦争を終わらせるきっかけになっていると思えばどうか、そしてその事をヒンによってサリマンに伝えた。これがヒンの最大の大仕事。
それならばサリマンの「ハッピーエンドというわけね」というのも説得力がでる。

何かつながったような気がする。自己満足かも?まぁいい今日はもう考えるのやめよ。失礼しました


1221の方へ(ネタバレ?)
投稿者: angelwing_3832 (女性/東京都) 2004/11/23 22:34
採点: 未採点
王子の名前、ジャスティンっていうんですけど、原作のほうでは、サリマンという王室付き魔法使いと親友と言って良いような間柄で(ちなみに原作のサリマンという名の魔法使いは男で、映画のマダム・サリマンにあたるような役ではありません。一巻じゃ殆ど出てこないし)、王が荒地の魔女に「王女を殺す」と脅されたために、サリマンは王に荒地の魔女退治を命じられます。でもサリマンはそのまま帰ってこなかったため、ジャスティン王子はサリマンを救いにいくべく荒地に赴き、そのまま行方不明に、ということです。
原作では案山子のほかにも犬人間とかも出てきてて、それぞれサリマン、ジャスティンのパーツのつぎはぎでできてるんで案山子が王子、というわけではないんですけど、まぁ映画では原作で言うサリマンが出てこなかったから、荒地の魔女を退治に行って返り討ちにされて案山子にされた、ってとこじゃないですかね??
わかりづらいですね(汗)すいません……


ソフィーの髪(ネタバレ)
投稿者: sunoko1999 2004/11/24 12:51
採点: 未採点
ソフィーが、カルシファーにお願いをする
場面で、願いを叶えてもらうかわりに
ソフィーの髪をさしだしますよね。
いわば、髪は女の命。
ハウルが自分の心臓を差し出して力を得るのと
おなじことになるんですね。

カルシファーは心臓をもらってハウルの僕に、
そしてソフィーには、髪を染めた。

なんか見終わった後も、色々考えることができて
とても楽しいです。


動く城再起動の解説(ネタバレ)
投稿者: zianola (男性/北海道) 2004/11/24 18:47
採点: 未採点
 中盤、ハウルが行う「引越し」が単なる部屋の模様替えでは無いという事がポイント。
 引越しにより、今まで城と共にあった城の核、中枢部分を荒れ地に在る城からソフィーが元居た街に移動させたのです(クライマックスで、崩壊前に既に朽ちている城の様子、及びカルシファーのセリフからそれが確認出来る)。
 城の中枢を移動させた理由は主にソフィーの気持ちを考えての事でしょう。ハウルは、それまでの気ままな暮らし、一種の逃亡生活を止めて、文字通り地に足の着いた生活を始めようと決心した訳です(「どこでもドア」の機能だけは元のままだが)。
 流れを整理すれば以下の通り。

・引越し→城の中心をソフィーの街へ移動
・空襲開始→ハウルは爆撃機を迎撃
・ソフィーはハウルを戦わせない為に、街に在る「中心」を別の場所へ移す引越しを決意する。
・しかしソフィーは魔法使いでない為、非常に乱暴な引越し方法を採用した。
・その方法とは、動く城が持っていた全機能を一旦リセットする、というものであった(言わばパソコンの電源をいきなり切ってしまうようなもの)。
・カルシファーが城から出る→城は崩壊
・この時点で、動く城の全システムはどこにも存在しない白紙に戻った(「どこでもドア」の機能を除いて)。
・その後、カルシファーの力で動く城を再生。

 以上。

 ついでに関係の無い話。
「ラストで、あんなに簡単に戦争が終わってしまうなんてアホらしい」
という意見について。
 戦争が終わった、という描写などどこにも無い。
 描かれているのは、戦争を止めたいと思う人間が2名増えた、というだけのもの。
(ただしラストのサリマンの台詞には、“現実の戦争だって、政治家が止めさせようと思えばすぐにも出来るだろう!? ほれ、今すぐ止めさせんかい!”という監督の怒りと願いが込められているものと想像する。従って、観る側がストーリーを誤解するようなニュアンスを含んでいるのも確か)


ソフィの何気ない行動が(ネタバレ)
投稿者: eiga33 2004/11/25 6:54
採点: 未採点
ソフィは魔法は使えないけど、何気ない思いやりの行動が、全てをよい方向へ、ハッピーエンドへと導いたと思います。

まずソフィは案山子のカブを二度助けています。一度目は、木の枝が杖になると思い、なかなか抜けなくても諦めずに引っこ抜いた。そしてカブが魔法の部類の存在だと知っても避けたりはしなかった。
二度目はマルクルと善意によって助けた。カブは自分のような者にも、よくしてくれるソフィに惹かれていった。

バスルームの掃除は、ハウルの内面の弱い部分をを引き出した。そのことを知っても「この色も似合っているよ」と元気付けようとした。

「戦争をやめるようにお願いしたら」という提案をしたけど、ハウルはサリマンの事が怖いので、「代わりに行って」という。多少の不満を感じつつも頼み事を聞いてあげる。ソフィにとっては恐怖はなく、当たり前の事をしているだけと思っているだろう。

ヒンに不信感を持っていても、遠ざけることはせずに、別にここにいてもいいよという気持ちだったと思う。

マルクルには「教えることがいろいろありそうだ」と世話をする気持ちがある。

カルシファーは、自分がすごいと褒められた事が嬉しかった。素直にすごいと言ってのけるソフィに好感を持っていた。

こういった様々な事が、あのラストに反映している。これは私の想像ですが、カブは敵国の王子だったのではないか、敵国はカブを人質に取られている、もしくは殺されたと思っているのかもしれない。愛国主義全盛の時代に、この事が戦争の1要因になっているのではないか。サリマンはカブの居所を探していた。カブに呪いをかけたのは荒地の魔女だと思われる。

カブがソフィに恋する事で、キスされて呪いが解ける。そのことをヒンがサリマンに伝える。そして戦争終局への道が開けた。
カブとヒンがいないとできないことだから、ソフィの思いやりの効果だろう。

ハウルはソフィの事を随分まえから知っていて気になっていたが、ソフィは自分に自信がなく、何をしていいか解らない時期が長かったのだろう。でもばあさんになったことで、自分の頼みを聞いてくれたり、「あなたの呪いを解きたいの」というソフィの想いを受け、ソフィを守るために、戦う決意をする。それはソフィに対する愛。
その後のハウルの戦いは、無駄ではないと思う。実際にソフィを守っていたのだろう。でなければもっとひどい事になっていたかもしれない。
カブは戦争終結のカギなだけ。

カルシファは自由になっても離れなかった。

マルクルは自分の親代わりを求めていたのだと思う。

ということでソフィは魔法使いにもできない事をやっていたのだ。

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